私は、長年高齢者施設で、高齢者の寝る姿勢を整えてきました。高齢になると手や足の関節が硬くなることがあります。そうなると、ベッドに横になっても、ベッドとの接地面が狭く(隙間が開く)体の筋肉が緊張してしまい、寝ているのに疲れが取れず、逆に関節がさらに固まってしまうことがあります。そのような方には、接地面を広くするために、クッションなどを使用して隙間を埋めていきます。そうすることで、接地面が広くなり、体の力が抜けやすく、関節が動くようになる方も多くいらっしゃいました。
　現代社会ではスマートフォンやパソコンの作業などで体が前傾姿勢になりやすく、胸の筋肉(大胸筋)が硬くなります。そうすると、ベッドに寝ても胸が広がらずに肩甲骨あたりがベッドから浮き上がり接地面が狭くなることが多くあります。この枕は、肩甲帯まで伸びており、肩甲骨がサポートされ接地面が広いので、体と心が緩むことが期待できます。人の背骨はＳ字カーブを保っており首は前にカーブしています。この枕はその形状を守り、寝ていてもＳ字カーブを保てるようになっています。